『カギ尻尾』は、幸運の印と言われているのですね。キンクちゃん万歳!!
歌川国芳 『其のまま地口 猫飼好五十三疋』より
「カギしっぽ」が幸運のシンボルと言われる理由
カギしっぽの猫は日本や東南アジアに多く生息していますが、ヨーロッパや欧米などの国ではカギしっぽの子は珍しいそうです。
カギしっぽは純血種にほとんど見られず、海外で一般的な猫ちゃんはシッポのまっすぐな子が多いということが理由の1つだそうです。
ですので、カギしっぽが珍しいとされる国ではカギしっぽの子と出会えたらとてもラッキーなこととされており、「釣り針のように曲がったシッポで幸運を引っ掛けて来てくれる」と言われています。
また、「左に曲がったシッポの猫を飼うと金運が上がる」なんてジンクスも!
日本にいる猫にカギしっぽが多い理由の1つに、「カギしっぽの猫は猫又にならない」という言い伝えがあったことが挙げられます。
江戸時代の人々も猫と暮らす人が多かったのですが、ちまたでは「長生きした猫はシッポが2本になって猫又という妖怪になり、人間を食べたりさらったりする」というウワサが広がりました。
どうやら猫又になりやすいのはシッポが長くまっすぐな猫であるとされていたようで、人々は自分が飼っている猫が猫又にならないようにシッポが曲がっていたり短い猫を好んで飼っていたようです。
猫はその瞳の輝きや独特の習性により、古来から魔性の生き物と考えられていたようです。
そのため「猫を殺すと7代先まで祟られる」「死者をよみがえらせる」などと言われていたこともあり、猫又という妖怪の存在が信じられていたのかもしれません。
このように、曲がったしっぽや短いしっぽの猫が好まれるようになったため、日本でカギしっぽの猫が増えていったと言われています。
日本に多いカギしっぽ猫のなかでも、長崎の街には特に多くのカギしっぽ猫が住むと言われています。
江戸時代、長崎の出島では、オランダとの交易が行われていました。流通拠点となっていたインドネシアやマレーシアに生息していたカギしっぽ猫を、ネズミ退治のために舟に乗せてやってきたのがはじまりだとか。
その子孫のカギしっぽ猫たちが、いまも長崎にはたくさん住んでいるのです。